LTVは超重要概念
マーケティングを学ぶと必ずLTV(Life Time Value ライフタイムバリュー)という言葉が出てきます。
この言葉は「顧客生涯価値」という意味に訳されます。
この言葉の意味は一人、あるいは一社の顧客が特定の企業やブランド、サービスと取引を始めてから終了するまでの期間内にどれだけ利益をもたらすかということを算出したものです。
LTVの考え方は非常に重要なので計算式を確認してみましょう。
LTVの計算方法
例えばマッサージ店で考えてみましょう。コースは一つで単価が2,000円とします。毎月1回の来店で、年間の離脱率が0.2%とします。
この場合の計算式は
平均利用(購買)単価 | 2,000円 |
利用(購買)頻度 | 月1回×12か月=12回 |
継続利用(購買)期間 | 1/0.2(%)=5年 |
2,000円×12か月×5年=120,000円 |
このマッサージ店のLTVは120,000円ということになります。つまり、一人のお客様を獲得すると、その後年間120,000円の売り上げが見込めるということになるのです。もちろんこの数字には経費などの費用は一切入っていないため、実際にはかかった経費をこの分から差し引いて考える必要があります。例えばDMを送付するのに10,000円がかかったとします。
LTV=(平均利用単価×利用頻度×継続利用期間)-(新規獲得費用+顧客維持費用) |
つまり経費を差し引けばこのお店の顧客一人当たりのLTVは110,000円ということになるのです。
この考え方はCRM(顧客関係マネジメント)といわれる、お客様との関係を良好にすることで利益を向上させる指数とも相性が良いために、ともによく利用される指標です。
OTVとは
代わってOTV(One Time Value)という言葉があります。これは過去においてよく使用された概念で、大量消費の時代ではとても有効となった指標です。
一回の購入、利用のお客様を求めて事前に大掛かりなCMなどを利用して顧客を獲得する方法となります。一人の顧客を獲得するために大金をつぎ込んで行うマーケティング手法であるため、経費が高騰しやすく、さらに顧客の嗜好が多様化した現代においてはあまり有効的でないといえます。
1:5の法則
実際に一人の新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍かかるといわれています。現代においては、既存顧客の維持、拡大がとても大切といわれています。最後になりましたが、LTVは顧客ごとに「時間」と「利益」によって定量化した指標であるため、既存顧客の維持・拡大における判断指標に活用されるようになったのです。
この記事へのコメントはありません。