AIが急速に発達する近年、徐々に人と機械の関係が変わりつつあります。これまで、人が機械を動かすことで便利さを享受していましたが、AIが発達するにつれてAIが人の生活をサポートする時代になったのです。人々はすでにAndroidという名前のスマートフォンをポケットに挿し、社会でのコミュニケーション活動をサポートしてもらっているのです。それではこのままAIが発達を続ける近い未来において、我々は人工知能に仕事を奪われるのでしょうか?
AIが社会運営を担う
通信規格が5GとなりAIが活躍する場が爆発的に増加することが想定されている2020年中旬以降、人々の仕事が劇的に変わろうとしています。これまでの単純労働といわれていた分野でのAI化が加速し、そこに携わる単純作業労働者の仕事を次々と奪っていくのです。
これまでに、すでに担い手がAIへと変化した職種があります。電話オペレーターといわれている人たちです。ここ1、2年でAIの会話スキルは大きく向上しました。対応する内容がほぼ決まっている業務上の受け答えであればこなしてしまうのです。現段階ではネット環境上においてテキストベースでの質問に対する回答がメジャーですが、今後短期間でさらにこの技術は加速することが想定されます。
どのような仕事が奪われるのか
それではどのような仕事が近い将来、AIに取って変わられやすいかみてみましょう。参考資料は2015年12月に野村総合研究所が発表した資料となります。今から5年も前に、こういった研究が進んでいたのです。
ここでは100種類にもわたる職業が記載されており、主に単純作業がメインとなっています。特に派遣・アルバイトといった人たちが社員に変わって代替されてきた職業ともいえます。つまりこれまで社員が派遣・アルバイトに奪われてきた職種が、これからは人工知能に奪われていくといった構図となっているのです。
社員の仕事もさらに奪われる構図
ここで注意点なのですが、何も派遣・アルバイトで対応する仕事が奪われるということではなく、単純作業全般の仕事が代替されていくということなのです。
例えばこれまで安泰とされていた公務員の仕事である「行政事務員」も徐々にAI化されていき、人員削減の方向へと向かうことが予想されるのです。
また「清涼飲料ルートセールス」といった、一見複雑さを感じてしまう職種でさへもAIが代替するということです。自販機ベンダーなのかヤ○ルトレディなのか、詳細は不明ですが。
また路線バス運転手もAIに代替される仕事の代表といえます。こういった職種はこれまで正社員が担っていたことが多いはずなのですが、運転手不足が進む中でAIが担うことになるのです。
したがってこれまで正社員といわれているような人であっても、その仕事が単純作業であるのならいずれはAIが代替することになるのです。
AIに奪われる仕事の特徴
AIに奪われやすい仕事の特徴として、以下のものが挙げられます。
- 人よりもAIの方が正確にできる、作業効率・生産性が上がる
- AIが人の代わりに全てを行うことができる
例えばデータや数字を扱うような職種であれば、人が数時間、数日かかるような場合でも、AIを利用すれば一瞬で作業が完了してしまう場合などです。
またこういった業務は人であればミスが発生しやすいため、さらに時間を要するのです。しかし、AIが行う場合であればミスが起こらないという大きなメリットがあるのです。
AIに奪われにくい仕事
反対にAIによって奪われにくい仕事の特徴をみてみましょう。
アートディレクターや映像作家、またはカウンセラーなどのように人の感情に影響を与えるような職業です。さらに企業コンサルタント、児童厚生員などの人の問題に寄り添って解決の方法を見つけるような職業です。
人間の感情の琴線に触れるというようなデリケートなことは、現段階ではAIが踏み込むことができない領域とされています。もし今後資格などをお考えであればこういった人とのコミュニケーションが必要な資格を取ることをお勧めします。
AIによる代替対象は大企業の正社員から
2019年に衝撃的なニュースが駆け巡りました。過去最高益を叩き出したキリンホールディングスが45才以上を対象に、早期退職を募集したのです。10月1日から開始されたこの制度のターゲットとは、50代になっても部下を持てない従業員といわれています。つまり、過去最高益であろうが、これからは能力が不足しているのであれば、人員整理の対象となり早期退職の対象となることを意味します。
このような動きは特に大企業といわれるところから始まり、追随する大企業はさらに多くなっているのです。
このようにリストラ対象となった中年以降の社員たちは変化に対応できなかった可能性が高く、これから就職難民として社会の底辺を彷徨う人も多いと想定されます。
派遣・アルバイトのこれから
これまで正社員の穴埋め的業務が多かった、派遣・アルバイトの人たちの業務は、やはりAIに取って変わられる可能性は非常に高いことが理解できます。また、派遣・アルバイトだけでなく正社員といった職種に対してもAIの影響によって組織に大胆なメスが入れられようとしているのです。
したがって派遣・アルバイトだからというのではなく、これから自分自身は社会にどのようにコミットし、どのような価値を提供できるのかを真剣に考えるべきなのです。
こういったことについては、これまで数十年も正社員としてぬるま湯にどっぷり浸かっていた「元正社員」の人たちが最も苦手とする思考形態なのです。
正社員というだけで、特に業績を挙げなくても「終身雇用制度」というこれまでの日本の慣習が守ってくれていたお陰で、お給料をもらえていたということが実感できない正社員は、今後さらに厳しい社会情勢の壁にぶち当たることが想定されます。それほどまでに彼らの思考回路は停止しているといっても過言ではないのです。
- あなたはこの会社にどのような成果をもたらすことができますか?
- あなたはこの社会にどのようなプラスの貢献ができますか?
この言葉を常にチェックし、昨日とは違う自分を目指す人だけがこれからの社会の中心的な人材として活躍することが可能となる社会が到来するのです。
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