明日の経済

ちょっと待って。新しい仕事で成果を上げるためには、何も特別な能力など必要な言ってドラッカーは言っているよ。卓越した知識や才能なんていらないんだと。

全然っ！そんなものは必要ないよ。俺たち凡人の能力で十分卓越した成果を得ることができる。

うん。ドラッカーはこう言っている。必要なことは「新しい挑戦、仕事、課題において重要なことに集中することだ。」ってね。

うん・そうだ。ドラッカーは常に集中することの大切さを説いている。

うん。だから強みに集中しなきゃいけないんだ。嫌なことには集中できないだろ？さらに、普通は慣れない仕事に対してインプットを中心にあれこれ覚えようとするけど、ドラッカーはインプット中心ではダメだと戒めている。常にアウトプット中心で考えるべきだと。君たちが覚えようとしている知識や情報、さらには技術さへ単なる道具にしか過ぎないんだよ。

うん。そういった道具などは、求められる成果によって規定されるんだ。必要な仕事を決めるのは成果だとトラッカーは言う。だから、仕事の組み立てから、管理手段の設計、道具の使用も成果によって異なるんだよ。

うん。ドラッカーの言っていることは、すべてがつながっていて、一貫性がある。

できるかもじゃなく、だれでも成果を上げることができるんだ。成果を上げるための具体的な能力を５つ挙げている。
第一に、何に自分の時間がとられているかを知り、残されたわずかな時間を体系的に管理すること。
第二に、外部の世界に対する貢献に焦点を合わせること。
第三に、強みを中心に据えること。
第四に、優先順位を決定すること。優れた仕事が際立った成果をあげる領域に全力投球するんだ。
第五に、成果をあげるよう意思決定する。

そうだ。こういったことを常日頃から意識的に行う習慣を身に付けるなら、いつでも成果を出せる準備があるってことなんだ。さっき君が言っていた「生まれ持っての才能」ってこういうことなんじゃないかな？そして、それは勘違いでしかないんだ。

そうなんだ。君が最初に勘違いしていた、生まれ持っての才能って言ってただろ？これまでの話で分かる通り、成果をあげる能力っていうのは、つまりは一つの習慣でしかないんだ。実践的な能力の積み重ねなんだ。そして、この実践的な能力は誰でも習得できるんだ。

そう。誰でもだ。卓越できないかもしれないが、成果をあげることくらいは誰でもできる。ただ卓越するには特別な才能が必要だとドラッカーは言っている。

うん、そうだろ。そして成果をあげるということは一つの革命だと言っている。前例のない新しい種類のことが要求されるからだ。だから組織のトップであるかのように考え、行動することが要求されるんだ。

ただ、努力では絶対に習得できない気質にもドラッカーは言及している。

うん。彼はこう言っている。
もともと持っていなければならない資質として定義していることがたった一つある。他から得ることができない資質。それは才能なんかではなく、「真摯さ」である、とね。

うん。ドラッカー哲学は人間の尊厳にまで言及している。彼はナチスドイツの手から逃れてアメリカまで流れてきた過去を持っている。だからビジネスの世界を中心的にみる資本主義ではなく、民主主義にまで思考は及んでいるということなんだ。

ああ。単なる成果をあげる方法に関してだけでもこれだけの具体的でわかりやすい方法を示してくれている。しかも誰でも成果ぐらいは出せるんだと激励してくれているんだ。

ドラッカー思考って本当に奥が深いわね。まだまだ学ばなきゃいけないわね。