何かを決めなきゃいけないことが多くって、本当に辛いのよ。何かを決定することって本当に勇気がいるのよね。
意思決定は重要なことだからね。ドキドキするのも無理はない。だから意思決定には準備が必要なんだ。
どう言った準備をすればいいのかしら。
まずは、問題の性格を理解することから始めるべきなんだ。その問題が一般的な問題なのか、例外的な問題なのかを区別する必要があるんだ。そしてさらに、何度も起こることか、個別に対処すべきことかを問わなければならないんだよ。
なるほどね。
そして、真に例外的な問題を除き、あらゆるケースが基本にもとづく解決策を必要としているんだ。原則、方針、基本による解決が必要だとドラッカーはいっている。一度でも新しい基本的解決法を見出すならば、同じ状況から発生するそれ以降の問題は全て実務的に処理できるからね。
問題の性質を分別する必要があるのはこういったことからなのね。
そうなんだ。さらに意思決定においては、決定の目的、達成すべき目標、満足させるべき必要条件が何かを明確にする必要があるんだ。
そこでよくみられる間違いが、一般的な問題を例外的な問題の連続として見誤ることなんだ。一般的な問題としての理解欠如から、解決についての基本が欠落すると、その場しのぎで処理することになる。そしてそうした意思決定は全て失敗と不毛で終わることになるんだ。
ドラッカー哲学っていつも真剣勝負なのよね。
もちろん。顧客から従業員といった多くの人に影響を与えることになるかもしれないから、真剣なんだよ。だから真摯さが必要なんだよ。
意思決定者として、下そうとしている意思決定においてみたすべき必要条件を理解しておくことは、最も危険な決定を識別するうえで必要なことなんだ。具体的にいうと、「都合の悪いことが起こらなければ、うまくいくだろう。」といったような意思決定だ。
ある意味、そういった意思決定はもっともらしく見えるが、必要条件に照らし合わせていくと必ず矛盾が出てくるとドラッカーはいう。
丁寧に検討することが必要なのね。
そうだ。その時に参考にするものは、事実ではなく意見からスタートしろとドラッカーは促している。事実を探すものはすでに決め付けている結論を裏付ける事実を探すだけになるんだ。
意見からスタートするものは、多くの意見を聞くことになるんだ。また、多くの意見が出ることを奨励すべきなんだ。
そして出てきた意見を、事実で照合する必要があるんだ。
仮説の有効性を検証するには何を知らなければならないか。意見が有効となるためにはどうあるべきかとドラッカーは教えている。
そうなのね。意見からスタートしろか。
そう。だから成果をあげる人物とは、意図的に意見の不一致をつくりあげる。そうすることによって、もっともらしい間違っている意見や、不完全な意見によって騙されてしまうことを防ぐことができるとドラッカーはいう。だから一つの行動が正しく、他の行動は全て間違っているという仮定をしてから始めるべきじゃないんだ。自分が正しく、他が間違っているというような仮定からスタートすることはご法度なんだ。しかし、意見の不一致の原因は必ず突き止めろとドラッカーは教えている。
多くの意見が出ても必ず不一致の原因を突き止めろか。
そう。チームメンバーの中で、明らかに間違った結論に達している者は、自分とは違う現実を見、違う問題に気づいていると考えなければならない。もしその結論が知的で合理的であるとするなら、彼はどのような現実を見ているのかということを考えなければならないんだ。
そうか。意見の不一致とは、自分と他者との見えている世界が違うということなのね。そう考えると、ワンマンリーダーが意見の不一致を抑えて自分の意見を押し通すことの恐ろしさが実感できそうな気がするわ。
だろ?だから決定することにおいては、何が正しいかを常に考える必要があるんだ。やがてはある程度の妥協が必要になるからこそ、誰が正しいか、何がみんなに受け入れられやすいかという観点からスタートすることは本当に危険なんだ。
ただ、いつも決定が必要というわけではない。何も決定しないという代替案は常に存在するんだ。意思決定とはある意味外科手術のようなものなんだ。現行システムに対する干渉だから、ある程度の痛みが伴うことが多いからね。
だから良い医者であれば不要な手術を行わないように、不要な決定を行ってはならないとドラッカーは訴えているんだ。
そうなのね。意思決定一つにとっても、ドラッカーは深いところまで追求してくれているのね。
意思決定は大切なことだからね。
そして意思決定の段階が最も勇気を必要とするんだ。
決定したことの多くがこの段階で行方不明になることが多い。いわゆる勇気がないために諦めたり妥協してしまったりするためだ。なぜなら意思決定を必要とすることは評判もよくなく、容易なことではないと決定者が知っているからだ。
勇気がないリーダーには到底意思決定などできない。
決定時に絶対してはならないことがあるとドラッカーはいっている。
それは「もう一度検討してみよう。」との誘惑に負けてしまうことだ。それは臆病者の手であるとドラッカーは叱咤している。臆病者は、勇者が一回死ぬところを千回死ぬとまで言い切っているんだ。
リーダーにとって、真摯さと分析力と、勇気というスペックは本当に大切なのね。
そう。だからリーダーが孤独であることはある意味当然なんだ。常に群れていたら焦点がブレブレになってしまうから、ボッチであることがリーダーの条件といってもいいかもしれないね。
だからリーダーにはメンターが必要だということがよくわかるわ。私のメンターはマークということね。頼りにしてます。
俺はメンターができるほどの器じゃない。俺はドラッカーの言葉を忠実に守ろうとしているだけだ。やはり成果を出すための哲学としてドラッカーは今でも光り輝いているからね。
すごいよね。
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