為替市場ではインサイダーは有り得ない?
通常、為替市場においてインサイダーは有り得ないといわれています。
その理由としては市場規模が大きすぎるからです。
2019年にBIS(国際決済銀行)によりますと、1日の為替取引高が6.6兆ドルに達したとの発表が有りました。
これは1ドルが110円とすれば720兆円にもなります。
これまでのFXに関するテキストなどにおいては1日あたり500兆円程度ということでしたから、ここ数年で取引高がさらに増加しているということになります。
もちろん6.6超ドルという金額を誇るマーケットは他には存在しません。
そんな世界最大のマーケットにおいてインサイダーを行おうとするのであれば、そもそも普通に考えれば莫大な資金が必要となるのです。
こういった理由から、為替市場においてのインサイダーは不可能といわれていました。
為替市場におけるインサイダー疑惑が発生
この巨大なマーケットにおいてインサイダーを仕掛けて巨額の利益を得たという疑いをかけられた人物が現れました。
それはスイス中銀のヒルデブランド元総裁です。
スイス国立銀行(中央銀行)のヒルデブラント総裁は9日、夫人が為替取引で7万5000スイスフラン(約600万円)の利益を得ていた問題の責任を取って辞任した。
出典: www.nikkei.com
総裁の夫人は米老舗ヘッジファンドのムーアキャピタル出身で、金融にも明るい人物とされています。総裁もこのファンド出身で実は元同僚でもあるようです。
しかし、インサイダーといっても、得た利益は600万程度なのです。
えっ?
でしょ?それほど莫大な取引を行ってる為替市場において
たった600万程度の利益なのです。この程度の利益であれば普通の取引で稼いでいる個人トレーダーはたくさんいます。
しかし、600万といえども立派なインサイダーの疑惑。
この疑惑のために同総裁は辞任するという結果になっています。
為替市場でのインサイダーはわかりにくい?
先述の例が為替市場における有名なインサイダーでしたが、実はもっと根深いところでインサイダーを疑われているところはたくさんあるのです。
例えば大きな経済政策の発表前などはその典型といえそうです。
そういった大型発表の前にチャートを眺めていると、明らかにおかしな値動きをすることが多々有ります。もちろんインサイダー取引と断定する根拠はないので一概にはいえませんが、為替市場でこれだけの値を動かそうと思うのであれば、莫大な資金が必要となるため、まだ発表されたいない情報に対する予測だけでこれだけの値動きを起こそうとするのであれば、それはギャンブルと同じになります。だから複数のファンドなどが連携して値動きを形成しているとも取れるのです。
したがって「インサイダー的な動きをしているね。」などと揶揄されたりしています。
為替市場のインサイダーは殿上人の特権?
為替市場でインサイダーを行おうとすれば、各国政府関係者たちとの親密な連携が必要となります。
一般人ではこれらの人物たちとの交流をとることなどできるはずはないのです。
例えば欧州中銀元総裁であるドラギ氏であれば、彼の出身組織はゴールドマンサックス元副会長でその後イタリア銀行の総裁を勤めています。
フランスのマクロン大統領であれば、彼は元ロスチャイルド銀行の投資家でした。
世界の殿上人たちは凡人たちが立ち入ることが不可能なコミュニティの中にいることは間違いなさそうです。そういった人たちの繋がりでの情報交換はあってもおかしくはないでしょう。もちろん疑惑の域を超えないことは確かですが・・。
FXにインサイダー情報など必要ない理由
株などではインサイダー情報があると間違いなく有利なのですが、為替においては特に必要がないというのが本音なのです。
仮に為替においてインサイダー情報が有効な場合といえば、それは指標発表前くらいしかないからです。
経済指標前のエントリーはギャンブル的要素が濃くなります。FX投資の経験が多ければ多いほどギャンブル的要素は排除しがちになります。
ベテランも初心者に対して、指標前後のエントリーは避けるようにアドバイスすることが多いのです。
では指標発表前後を避けるといつエントリーするかというと
それは通常の何もない時間帯ということになるのです。
FXは時間帯取引を意識するべき理由
為替取引は株と違い実態の需要に直結する面も多いのです。
企業がドル決済を求められたら、当然為替市場でドルを調達します。
そのオーダーが市場に出た途端にドルが買われるのです。いわゆるドル高になるのです。
市場が最も活発に動くのが、市場取引開始から2時間程度の時間帯です。
その時間を狙うのであれば、インサイダー情報など必要ないのです。
【FX】FX初心者の超基本!水平線を使ったテクニカル分析方法
でもお伝えしたのですが、市場での取引開始後の水平線ブレイクが最も効率の良い勝ち方の一つといえます。
実際に実需でも売買が発生しているので、その売買の方向にエントリーすれば、コバンザメのような形で利益を得ることができるのです。
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