新型ウイルスの影響が欧州へ
アジア発の疫病が現在は西アジアから欧州へと広がりを見せ、特に欧州の経済活動に直撃しているといっても過言ではないでしょう。
イタリアでの死亡者数が中国を抜き世界一となったことで、欧州に不安が広がっています。
EU圏内であれば「人・モノ・カネ」の移動が自由なことでメリットは大きいが、こういったデメリットを抱えた時にはその影響も非常に大きなものとなることが今回の事例でよく理解できます。グローバリズムの広がりがもたらしたマイナスの一面ともいえます。
産油国も直撃するパンデミック
産油国であるイランにおいては、このウイルスによって死亡者数がものすごい勢いで増加しています。Reutersの記事によれば、イラン国内において10分に一人が死亡しているという状況だとのことです。
さらに先日のOPECplusでの減産合意が結ばれなかったことによる原油価格暴落という、まさに二重の打撃を受けた産油国の経済状況もすでに疲弊しきっていることでしょう。
アメリカ・カリフォルニア州で外出禁止令も
ブルームバーグの記事ではカリフォルニア州で外出禁止令が発布されたという衝撃のニュースも伝わっています。いつも陽気なイメージがあるカリフォルニア州がひっそりと静まり返る光景というのはなかなか想像できないものがあります。
通貨は相対的な価値
株や債券はすべてが暴落することがあり得ます。それらの価値は「足し算」だからです。
業績などが良ければ当然価値は増加するし、業績などが悪ければ価値は下落します。そしてすべての銘柄で業績などが悪ければすべての銘柄の価値が下がりえるのです。
しかし、通貨は相対価値なのですべての通貨が下落しっぱなしということにはなりにくいといえます。
例えば日本円(JPY)がドルに対して高くなればドルは下がるのです。
円もドル(USD)もともに下がるときは、何か別の通貨ペアとの間に強弱が発生しているのです。
例えば一時は豪ドル(AUD)が全通貨に対して弱含みとなり下落していました。豪ドル/円が60円を切ってしまったのです。もともと豪ドルは流通量が少ないが、経済的に資源大国で金利も高く比較的安定している通貨でした。
しかし、中国依存が強かった豪州経済に米中貿易戦争の影響が直撃し、不安定な相場が続いたのです。
変わって現在では経済不安がアジアから欧州へ移ったいま、ユーロが相対的に弱含みとなっています。
日本円が円安へ
一時強烈な円高が発生し、このままさらに進むのかといった観測もありましたが、中国でのウイルス感染者が収まったことや、オリンピック開催の方向で調整中とのIOC委員会の発表を受け、日本円に集まっていた世界中の資金が流れ出たようで、円安方向へと動いています。
日経平均のことも考えるとやはり円安傾向が望まれるので、このまま1ドル/110円近辺で落ち着いてほしいものです。
週末リスクに備えよ
近頃では長時間ポジションを保持するような人はめっきり減ったと思われます。しかし、少しの油断から「つい」という行動をしてしまうのが相場なのです。トランプ大統領出現以降、この「週末リスク」がとても意識されだしましたが、ウイルスの影響によってさらにこのリスクは大きなものとなっています。
「つい」という行動は避け、週をまたぐポジションは持たないよう確認しましょう。さらに日をまたぐポジションも極力控えたいものです。
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